グリムスキーワード 京都議定書
趣味の蛾の世界について・・・その73回目・・・
今回は、
シャチホコガ科から、
エゾギンモンシャチホコを紹介する。
本種は、
前翅の紋に特徴がある。
その名の通り、
前翅の中央に「銀紋(ギンモン)」がある。
その67で紹介した
ウスイロギンモンシャチホコに似るが、
翅の色や「銀紋」のあり方に違いが見られる。
ウスイロギンモンシャチホコの「銀紋」は、
厚みのある三角形で、
その前後に小さな「銀紋」を
いくつかはっきり認めることができた。
本種の「銀紋」は、
薄手扁平な三角形で、
その前後の小さな銀紋もはっきりしない。
全体的な模様も
若干派手さに欠いているようである。
未採集の近縁種であるギンモンシャチホコは、
またさらに異なった「銀紋」のあり方を示すようである。
今後の採集成果に期待したい。
ちなみに成虫の活動は夜間が多いようである。
捕獲した個体は、夜間の灯火採集であった。
さて、そのエゾギンモンシャチホコであるが、・・・
学名は、
Spatalia jezoensis Wileman & South, 1916。
シャチホコガ科(Notodontidae)に分類される。
開張は、38~43mmとなる。
北海道・本州・四国・九州に分布する。
成虫の出現は、5~6月、8~9月とされる。
幼虫の食餌植物は、
ブナ科ブナ属のブナである。
種名:エゾギンモンシャチホコ
採集地点:新潟県中魚沼郡津南町結東地内
採集日:2007****(確認中)
採集:中津川流域の自然環境総合調査サポートチーム
※ 本種を含む
Spatalia 属 (Hübner, 1819) には、
以下の3種が属している。
ギンモンシャチホコ Spatalia dives Oberthür, 1884 ウスイロギンモンシャチホコ Spatalia doerriesi Graeser, 1888 エゾギンモンシャチホコ Spatalia jezoensis Wileman & South, 1916 (リンクは、「
みんなで作る蛾類図鑑V2」へ)
いずれも、
前翅に「銀紋(ギンモン)」をもっている。
しかしながら、
その紋のあり方は3者3様である。
これや全体の前翅の紋で区別可能である。
また、
非常に似た種でありながら、
その食餌植物も3者3様のようである。
・・・ということは、
それぞれの分布は重なりながらも
植生環境によって若干異なることになる。
非常に興味深いものである。
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